デジタルマーケティングという言葉を聞くと、SEO、SNS、広告、LINE、メルマガ、ブログなど、いろいろな施策が思い浮かぶかもしれません。
ただ、現場で本当に難しいのは、施策を知ることではなく、何のために、どの順番で整えるかを決めることです。
デジタルマーケティングのKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)は「売上」です。
ただし、Webでは初回訪問ですぐに売上になることはそれほど多くありません。
そのため、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)として、「顧客との接点を作ること」がとても重要になります。
この記事では、この考え方を軸に、デジタルマーケティングの全体像をやさしく整理します。
KGIとKPI
まずは、これから重要になる用語「KGI(重要目標達成指標)」と「KPI(重要業績評価指標)」について。
- 成果(売上・収益など)を「月30万円」にするなどの最終目標
- 成果(売上・収益など)を増やすために、「月間アクセス数(PV)を5万PVにする」
- アクセスを増やすために、「毎月10本の新規記事を公開する」
- 読者を増やすために、「SNSのフォロワー数を毎月500人増やす」

デジタルマーケティングのKGIは「売上」
大前提として、デジタルマーケティングの最終目的はアクセスを増やすことではありません。
最終的な目的は、問い合わせ、商談、申込み、購入、契約などを通じて売上につなげることです。
もちろん、アクセス数や検索順位も大切ですが、それらはあくまで途中の数字です。
たとえば、ブログ記事がたくさん読まれていても、
- 問い合わせにつながらない
- 資料請求が増えない
- 登録導線がない
という状態なら、事業成果には直結しにくくなります。
「人が来たか」だけでなく、「売上に近づいたか」を意識して設計することが重要です。
ただし、Webではいきなり売上にならないことが多い
ここで大切なのが、Webで来訪した人の多くは、すぐに申し込むわけではないということです。
特に、BtoBサービスや比較検討が必要な商材では、
- まず情報収集する
- 他社と比較する
- 社内で相談する
- タイミングを見て問い合わせる
という流れになることがよくあります。
つまり、初回訪問の時点では「今すぐ客」ばかりではありません。
このとき、顧客との接点がなければ、その人がサイトを離れたあとにこちらから再接触することはできません。
一方で、メールアドレスやLINE登録、資料請求などの接点があれば、あとから役立つ情報を届けたり、比較検討を後押ししたりできます。
この差が、最終的な売上の差につながります。
KPIは「顧客との接点づくり」
デジタルマーケティングの「数値目標」は、次のように分類できます。
- KGI:売上、受注件数、契約数、購入数
- KPI:メール登録数、LINE登録数、資料請求数、問い合わせ数、無料相談申込数
- 補助指標:アクセス数、検索順位、クリック率、滞在時間
ここでのポイントは、顧客との接点をKPIとして置くことです。
接点というと少し広い言葉ですが、具体的には次のようなものを指します。
- メールアドレス登録
- LINE登録
- 問い合わせフォーム送信
- 資料請求
- 無料相談の申込み
- 会員登録など
こうした接点があると、そのユーザーとの関係を続けやすくなります。
ただし、ここで注意したいのは、接点は数だけでなく質も重要だということ。
誰でもいいから登録数を増やせばよいわけではありません。
大切なのは、自社の商品やサービスに関心を持ちやすい人、将来的に顧客になりうる人との接点を増やすことが重要です。
デジタルマーケティングの全体像は5つの流れで考えると分かりやすい
デジタルマーケティングは、細かい施策で見るよりも、次の5つの流れで考えると整理しやすくなります。

それぞれを簡単に紹介します。
1. 集客
まずは、モノ(サービス・製品など)を知ってもらう入口を作る段階です。
たとえば、次のようなものが入口になります。
- SEO
- ブログ記事
- SNS
- Web広告
- Googleビジネスプロフィールなど
集客の役割は人を集めることですが、ここだけ強くても、次の接点獲得につながらなければ売上にはつながりにくくなります。
2. 接点獲得
次に必要なのが、見込み客との接点を作る仕組みです。
具体的には、次のような仕組みです。
- 問い合わせフォーム
- 資料請求
- メール登録
- LINE登録
- 無料テンプレート配布
- チェックリスト配布
- 簡易診断など
ここで重要なのは、ただ「登録してください」とお願いするのではなく、登録したくなる理由を用意することです。
たとえば、
- すぐ使えるテンプレート
- 初心者向けのチェックリスト
- 事例集
- 診断結果の詳細版
のような形で価値を渡せると、接点を作りやすくなります。
3. 育成
次は、その接点を通じて見込み客との関係を育てる段階です。
ここでは、
- メルマガ
- ステップメール
- LINE配信
- 事例紹介
- FAQ
- 比較検討に役立つ記事
などが役立ちます。
多くの人は、最初の接触だけで購入を決めるわけではありません。
急いで売り込むよりも、役立つ情報を少しずつ届けて信頼を積み重ねることが大切です。
4. 成約
育成の先にあるのが、「問い合わせ、商談、申込み、購入、契約」です。
この段階では、
- サービス内容が分かりやすいか
- 価格や流れが見えやすいか
- 問い合わせしやすいか
- 不安を減らす情報があるか
が重要になります。
せっかく見込み客が育っていても、最後の導線が弱いと成果につながりません。
5. 改善
最後に必要なのが改善です。
見るべき数字は、アクセスだけではありません。
たとえば、次のような流れを見ていくことで、どこを直せば成果が伸びるかが分かります。
- どの記事から問い合わせが発生したか
- 登録フォームまでどのくらい到達しているか
- 資料請求の率は高いか
- メール登録後に次の行動が起きているか
小規模で始める時に最初に整えるべき優先順位
デジタルマーケティングと聞くと、全部やらなければいけないように感じるかもしれませんが、小規模で始める時に大切なのは「順番」です。
おすすめの順番は、次の通りです。
まず、どんな課題を持つ人に向けて発信するのかをはっきりさせます。
ここが曖昧だと、記事も導線もぼやけやすくなります。
次に、何を提供していて、どんな人に役立つのかを整理します。
サービスページや自己紹介が分かりにくいと、接点獲得にもつながりません。
最低限でも、問い合わせフォーム、資料請求、メール登録、LINE登録など、何かしらの受け皿を用意します。
そのうえで、SEO記事、SNS、MEO、広告など、自社に合った集客施策を整えていきます。
登録してもらったあとに何を届けるかまで考えておくと、接点が資産として活きやすくなります。
AIはどこで使うと強いのか
この全体像をまとめるうえで、AIはかなり役立ちます。
ただし、戦略そのものを丸投げするというより、各パートで実務を前に進めるために使いましょう。
たとえば、
- 記事構成の下書き
- ターゲットごとの悩み整理
- CTA文案のたたき台
- メール文面の下書き
- FAQのたたき台
- 無料オファーの案出し
などの実作業は任せることができますが、「ターゲットは誰?」という基本部分は自分の中にもっておく必要があります。
ですが、それも全部自分でやる必要はありません。
AIと相談しながら決めることができるので焦らなくても大丈夫です。
- 強みをどう見せるか
- どの接点が合うか
- 売上につながる導線をどう作るか
といった部分もAIと相談しながら決めていきましょう。
よくある失敗
全体像を整理するときによくある失敗を紹介します。
- アクセスだけ増やして満足してしまう
-
人が来ても接点がなければ、そのまま終わってしまいます。
- SNSだけ頑張って受け皿がない
-
発信しても、問い合わせや登録の導線がなければ成果が積み上がりにくくなります。
- 接点を獲得して終わっている
-
登録後のフォローがなければ、せっかく作った接点が活きません。
- 高額ツールを先に入れてしまう
-
導線設計がないまま高機能ツールを導入すると、運用だけが重くなりやすいです。
まとめ
デジタルマーケティングの全体像を一言でまとめるなら、売上につながる流れをWeb上で整えることです。
KGIは売上。
ただし、Webではいきなり売上にならないことが多い。
だからこそ、重要KPIとして顧客との接点を置き、そこから育成と成約につなげていく考え方が大切です。
まず次の3つから整えると進めやすくなります。
- 誰に向けて発信するかを決める
- 接点を受け取る導線を作る
- 接点のあとに届ける情報を用意する
施策を増やす前に、流れを作る。
それが、デジタルマーケティングを無理なく育てていくための土台になります。
